巻物

陽の見えない大安の明け方は焼酎を

天空と海に浮かぶ蜃気楼

「作家」のことが好きな人もいれば、嫌いな人もいるはず。無関心な人だって。君が考える「お父さん」はどうだろう?

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気どりながら体操するあの子と飛行機雲

本日の晩御飯は家族と外食なので、少年は下校の時、思わずスキップしてしまうほど嬉しかった。
何を食べようかな、と夜が待ち遠しくて、いろいろとシミュレーションしていた。
ハンバーグやピザ、エビフライにポテトフライ、なんてメニュー一覧にはどんな物があるのかも楽しみだった。
行く場所はこの前オープンしたレストラン。
お父さんが運転してくれている車はもうすぐお店の駐車場に到着する頃だ。
お母さんは助手席からお父さんに話しかけている。
お姉さんは少年の横で、イヤホンで音楽を聴いている。
少年は車から降りると、喜び勇んで入り口を誰よりも先に開けた。

そよ風の吹く祝日の深夜は椅子に座る
新入社員の頃、株に興味をもっていて、購入しようかとおもったことがあるけれど、たいしたお金ももっていないので、購入できる銘柄は限られていたから、あまり魅力的ではなかった。
デイトレードに関心があったのだけれど、しかし、頑張って稼いでためた貯蓄があっさりと消えるのが恐怖で、買えなかった。
証券会社に口座は開設して、使用する資金も入れて、パソコンのエンター一つだけで買えるように準備までしたけれど、恐怖で買えなかった。
一生懸命、働いて得た貯金だから、他人たちから見たら少ないお金でも少なくなるのは怖い。
けれども一回くらいは買ってみたい。

気どりながら泳ぐあいつと冷たい雨

今季は、海に入りに行っていないが、みんなでめちゃめちゃ行きたい。
まだ、子供が小さいので、波打ち際で遊ばせるぐらいだけど、絶対喜んでくれるだろう。
さりとて、現在、オムツを着用しているから、遊泳している人の事を思ったら海水につけないのがいいかもしれない。
それ用のオムツもあることはあるが、場所によっては問題になっているらしいので。

月が見える日曜の午後に散歩を
少年は真夜中の三時に眠りから覚めてしまった。
夏休みが始まって二週間程度たった夏の夜のことだった。
暑さのあまり熟睡できなかったのだろう。
せんぷうきはぬるい風しか送ってこず、全然涼しさを感じない。

眠れないし、お腹も減ったので、少年はカレーを作り始めた。
冷蔵庫を漁り、野菜と肉を切りそろえ、炒め、そして煮込んだ。
夜が明けるころには、少年の家からは、美味しそうなカレーのいい匂いがしてきた。

気持ち良さそうに歌うあなたと俺

家の前でハンモックに寝転がり、気持ちよい風に身をゆだねていた、休日の午後の事。
頭上には飛行機雲が一筋走っていた。少年は、うちのネコが「ニャギャァッ!」と吠える声に仰天して、ハンモックから逆さまに落下してしまった。
目を凝らして観るとネコはヘビに向かって、いつでも飛びかかれる姿勢で叫びながら威圧していた。
蛇はそんなには大きくなくて、毒ももっていない種類のようだったので、少年はほうきで追い払い、猫を抱っこして再びハンモックに寝そべった。少年は、猫の頭を撫ぜてやりつつ胸の上で寝かしつけ、気持ち良さそうにゴロゴロと鳴くネコを見つめた。

気どりながら踊る兄弟と失くしたストラップ
いつかの深夜の出来事だけど、私は当時付き合っていた彼氏と、横浜から一般道を使って、サザンビーチにやってきた。
それは、大好きな一眼レフのカメラで海岸を撮ることだったが、なかなかうまく映らない。
海岸は長く来ていなかったので、撮影に飽きると裸足になって海の中に入りはじめた。
それにも飽きて、砂浜で山を作ることをして遊びはじめた。
覚えている限りでは、それ位までは、実際にそばに置いていたCANONの一眼。
思う存分滞在して、帰り道の途中、ガソリンスタンドで一眼レフがケースにない事にショックを受けた。
しょうがないと思い部屋まで帰ったけれど、少しの間、すごく切なくなった記憶がある。
数多くのメモリーが入った大好きな一眼レフ、今はどこにいるんだろう?

雲の無い大安の午前に目を閉じて

オフィスで勤めていた時の先輩は、社長の娘で、誰が見てもセレブだった。
小さくておしゃべりでテンションが高い、動物大好きな先輩。
動物愛護団など立ち上げて、それなりに活躍をしているようだった。
革を使用しない、ビーガン、動物実験反対。
少し前に、マンションに訪問したことがあった。
高級住宅地にある背の高いマンションで、東京タワーが見下ろせる場所。
その先輩、毛並みがきれいなシャムと同居していた。

雲が多い祝日の日没にシャワーを
台湾人のビビアン・スーは、容姿端麗で素敵な人だと思う。
年齢が30代も終盤なんて、少しも見えない。
昔見た番組で、印象的なのが、ビビアンが、アメリカ人からのインタビューにアンサーしていた部分。
ちょうど勉強中みたいだったけれど凄く熱心だった。
今となっては英語も日本語だって、すでにペラペラなんだろうなーとみている。
ビビアンの驚くべき魅力は計り知れないくらいなのだ。

喜んで踊る妹と横殴りの雪

打ち上げ花火の時期なのに、しかし、今住んでいるところが、行楽地で土曜日に、打ち上げ花火が打ち上っている、もう見慣れてしまって、新鮮さも感じなくなった。
土曜日に、打ち上げ花火をあげているので、苦情もわんさかあるらしい。
自分の、家でも花火のドンという音が激しくてわが子がパニックで泣いている。
年に一回ならいいが、暑い時期に、土曜日に、ガンガン音がなっていては、むかつく。
さっさと花火が上がらなくなればいいのにと思う。

気どりながら体操するあなたと観光地
石田衣良という作家さんに出会ったのは、愛ちゃんのアパートで。
「愛がいない部屋」という短いお話がぎっしり詰まった短編集が机に置かれていたから。
地元の宮城の母が読んでいて、その後カップラーメンやフルーツと同時に宅配便で送ってくれたらしい。
当時はまだそこまで有名でなく、世に知れていなかった石田衣良。
愛ちゃんはいつも手記や流通、雑誌などは読む。
逆に、よくいうライトノベルは嫌いだそうで、この本を私にくれるという。
愛ちゃんの母親は何を思いながら、愛がいない部屋を手に取ったのだろう。

手裏剣


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